施設の皆さんに鑑賞していただいた9月の舞踊華扇会には、目の不自由な方も招待しました。
財団には、今も多くの便りが届いていますが、
目の不自由な方からの手紙が届いていますので、紹介させて戴きます。
台東区にある盲人ホームの、65歳の弱視の方は、
夜の部の鑑賞に来られて、昼の部最後の演目「傾城道成寺」からご覧になられたそうです。
「緞帳が上がった途端、絢爛豪華な舞台に、『ワァ、素晴らしい』。花道に中村虎治さんが
現れ、その至芸のとりこになってしまいました。それから5時間ばかりがあっという間でした。
中でも人間国宝の西川扇蔵氏の西行は圧巻でした(演目は時雨西行)。
だまって立っているだけでも存在感があり、やはり極められた人は違うと思いました」
中野区の盲人自立センターの方からは、代筆で以下のような便りが届きました。
「初めて長唄を聞きました。筝曲もよかった。歌舞伎のような感覚で聞きました。
日本の文化、古典芸能に触れた気がしました。
特に鼓の音色がよかった。また、機会があれば聞いてみたいと思いました」
日本舞踊の最高峰の催しの「舞踊華扇会」には、堅田喜三久さんら、
囃方の人間国宝をはじめ一流の方が出演しているため、邦楽だけでも
十分楽しめます。
目の不自由な方にも、伝統芸能を堪能していただけたようで安心しました。
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